ごまふくは思うのだ さも恭しく供されるカリカリには欺瞞があると...

ごまふくは思うのだ
さも恭しく供されるカリカリには欺瞞があると
世界にはもっと美味しいものがあるはずだと
確かに自分はそれを知っているのに、それが何か思い出せない
もしかしたら、記憶を消されたのではないか?
そんな思いが過るとき、ごまふくは戦慄する
しかし、あの大きな世話焼きの尾っぽのない猫はなんの企みもないような様子で抱っこしてはおなかを撫でるのだ
わからない
ごまふくは思う
ごまふくにはわからないと